インプラントメインテナンス

重原聡歯科医師も、インプラントには歯根膜がないことによる弱点を指摘します。「歯根膜とは、歯と骨の間に介在するもので、ちょうど座布団のような役目もしています。インプラントには歯根膜はないので、緩衝機構(クッション)または『あそび』がないということになります。インプラントに有害とされる歯ぎしりやくいしばり、長期使用における、かみ合わせの変化等への対応のためにもどこかに安全機構を持たせておかなければなりません。」

「インプラントは本体が折れたり、炎症を起こし周囲の骨が溶けてしまうと、本体ごと撤去しなければなりません。歯の部分は壊れたとしても何度でもやり直しができます。そのため、歯の部分を取り外せるシステムは、修理や炎症や摩耗等に対応しやすく、インプラント本体を守る安全機構を持っていると言えます。」

 そのため、重原医師はインプラント本体につける歯の部分にスクリュー式を用い、1年に一回は歯の部分を外してスクリューに緩みがないか、歯の部分が破損、びび割れがないか、本体周囲に炎症がないかなどを確かめるメインテナンスを、すべての患者さんに実施しているそうです。インプラントにはほかにセメントで固める方法がありますが、それぞれ利点と欠点があります。

 どの歯科医院でも定期的に外して見るわけではありません。どのようなメインテナンスをするのかは、事前に歯科医師に聞いておきましょう。